
※3月8日テキストを追加しました。
ドイツ・フランクフルト近郊のアーノルズハイン村で3月3日から開催されている「脱原発から再生可能エネルギーへの『エネルギー転換』を求める国際会議」の3日目となる3月5日は、日本、韓国における脱原発運動に関する報告や、仏教団体における原子力の考え方、現在抱えているジレンマについて語られ、それぞれの宗教家らによる活発な意見交換が行われた。
- 記事目次
- 福島からの短期滞在型保養「セカンドハウスプログラム」
- アジアの脱原発の動きと九州電力前の反原発運動
- 日本の仏教団体の原発に対する考え方
- 韓国における原子力発電の現状と脱原発運動の状況
■Ustream録画
・1/12(17:03~ 41分間)
- テーマ5 日本でのキリスト教徒による反原発運動
- カトウマサミ氏(YWCA災害支援本部/東京)
- 光延一郎氏(日本カトリック司教協議会の正義と平和協議会「平和のための脱核部」会長、上智大学神学部教授、イエズス会司祭/東京)
- テーマ6 韓国における反原発運動と再生可能エネルギーの進展
- アン・ホンチェオ氏(韓国長老教会(PCK)、韓国キリスト教徒環境運動連合体(KCEMS)、多宗派ネットワーク「宗教と環境会議」、反核キリスト教徒ネットワーク(ANCN)代表)
- キム・ヨンハー氏(カトリック女子修道会院長団「反原発・自然エネルギー委員会」委員)
- パク・インシル氏(韓国YWCA「プログラムとコミュニケーション」委員会総代/ソウル)
- リー・デーソ氏(韓国長老教会、反核キリスト教徒ネットワーク国際協力部会議長)
- テーマ7 再生可能エネルギーの展望
- 大塚裕司氏(生長の家フランクフルト事務所) 「山梨県でのエコロジカルな試み「森の中のオフィス」」
- マイクル・シュナイダー氏(国際エネルギーと核コンサルタント/ソウル国際エネルギー助言委員会相談役/パリ)
- テーマ8 ドイツとアジアのネットワーク構築に向けて
- ジョナサン・ワッツ氏(国際仏教徒交流センター、仏教徒行動教団フェロウシップ、核政策再検討多宗派会議「行動する仏教徒 国際ネットワーク」) 「日本と東アジアにおける仏教徒と多宗派による反原発とクリーンエネルギーを目指すネットワーク」
- ヨヘン・ステイ氏(ドイツ反原発運動ネットワーク「アウスゲシュトラールト」代表)
- 日時 2015年3月5日(木) 日本時間17:00〜(現地時間9:00~)
- 場所 ドイツ・フランクフルト郊外アーノルズハイン村、マルティン・ニーメラー牧師記念会議場
- 主催 ヘッセン・ナッサウ福音教会およびクアヘッセン=ヴァルトエック福音教会のエキュメニカル(世界教会)・センター(フランクフルト)
福島からの短期滞在型保養「セカンドハウスプログラム」
公益財団法人日本YWCAの加藤眞佐美氏は、COM7300という保養プログラムとセカンドハウスプログラムについて報告を行った。セカンドハウスプログラムとは、福島在住者を対象に、家族単位、グループ単位で2週間から3週間程度、京都や名古屋などの空き部屋や空き家を大家さんに提供してもらい、滞在するプログラムだ。その他、東京・たまプラーザにあるマンションの一室を提供している事例もある。交通費は、日本YWCAが半額程度提供しているという。
アジアの脱原発の動きと九州電力前の反原発運動
続いて、日本カトリック司教協議会・正義と平和協議会「平和のための脱核部」会長でイエズス会司祭、上智大学神学部教授の光延一郎氏が、国会前で毎週金曜日に行われているデモについて報告した。
「ヨーロッパのドイツやオーストリアでの脱原発の動きの日本に対する影響はあると思う。しかし、アジアのキリスト教会では、原発反対とは言いにくい状況の国が多い。中国、ベトナム、インドでは非常に脱原発を発言しづらい状況だ」
次に、九州電力の前で2011年4月20日から平日の間、テントを張って脱原発運動を行っているカトリック系キリスト教信者の青柳行信氏から、活動報告が行われた。
「2011年の福島原発事故以降、4月から九州電力の前にテントを張り、平日に反原発運動を行っている。可視化できる形で反原発運動を行わなければいけないと思い、行動している。
3年間、九州の原発は停止している。以前、1万6千人のデモを九州で行ったのだが、また1万人デモを計画中だ。今はサウンドデモという新しい形のデモも起こっている。ここで話をしている間も、九州電力の前で他のメンバーがテントを張っている」
質疑応答では、神宮寺の高橋卓志氏が、仏教界の現状について語った。
「福井県のもんじゅ・ふげんは仏教の仏様の名前だ。仏教関係者が関わってその名前を付けたのは間違いない。宗教の罪だと思う。誰が関係していたのかは分からない。
311後も日本の仏教界は正面を向いて過去の原発に対する取り組みと未来に対する取り組みに向き合うことができないでいる。私達は豊かな生活をしたいがために電気を使ってきた。
原発を止めましょうではなく、依存するのを止めましょうというステートメントを仏教界は出した。おそらく日本の仏教徒は何も感じないだろう」
(IWJヨーロッパ・鈴木樹里)
日本の仏教団体の原発に対する考え方
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